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【理想的な四季について】

ワイン用に栽培されるブドウは比較的温暖な気候と、乾燥を好むと言われています。

生育が日照条件で左右され、風雨や病害虫にもさらされる植物ならではの「理想の四季(サイクル)」があります。では、ブドウにとっての「理想の四季」とはどのような春夏秋冬なのでしょうか。

 

・冬:収穫後の寒さは1年のブドウの樹の疲れを癒します。意外なことに、厳しい寒さには植生環境を整えてもらえる恩恵を受けています。

樹の生育を停止して休眠でき、病害虫も自然と撲滅できるくらいが理想的な寒さです。降雨量は土壌に十分な水分が蓄えられる程度が望ましい量といわれています。

【写真:ブドウ畑の2月(スイス)】

 

 

・春:まず遅霜(暖かくなってからの氷点下の天気)にならないことが重要です。気温は樹の生育を促す程度に穏やかであれば最適です。またブドウ生育に大敵な病害虫の『フィロキセラ』にも注意します。

※フィロキセラ:1860年頃にヨーロッパ全土を震撼させた害虫。幼虫がいろいろなものに付着して畑を転々とし、葉に卵を産み付けます。土中では樹の根っこを食い荒らし、その結果できる根コブによって樹を枯死させます。

【写真:ある年の5月14日のブドウの房】

 

 

・夏:開花期から夏の間中、高温に恵まれると良いです。この時期の最高気温が30度以上の日数がブドウの出来を大きく左右します。

特に開花時期には気候が安定していないと受粉が上手くいかない『花ぶるい』になってしまい、果実の変質や品質の低下、収穫量の大幅な減少をもたらします。

ブドウの受粉は自家受粉で虫ではなく風による受粉ですが、そのためには暖かくて乾燥した穏やかな気候が必要です。受粉の時期の気温の低下や日照不足や多雨は、光合成などの不足を起こすだけでなく、実の数の少ない『花ぶるい』を引き起こします。

また雹(ひょう)は生育途中のブドウを破壊し、その傷からカビや病気に罹るので大敵です。雹害は一瞬にしてその年の不出来に最も深刻な影響を与えます。

自然界では暑くて乾燥した気候を好む蜘蛛ダニが発生します。蜘蛛ダニは葉を荒らし、樹の成長を停止するブドウの害虫です。また果実を餌にする鳥や動物などもこの頃から出没し始めます。

【写真:同じ年の7月のブドウの房】

 

 

・秋:収穫前に多雨に見舞われないことが大切な条件の一つになります。雨はブドウの収穫を遅らせ、水っぽいワインになってしまいます。暖かな乾燥した長い秋は良質で完熟したブドウ収穫には不可欠です

【写真:市街地につながる斜面の秋模様】

 

 

・収穫:酸が落ち、糖度が上がることを「ブドウが完熟する」と言います。このバランスが理想的な熟度で収穫します。

早めの収穫は一般に良い酸を維持できますが、糖度が十分ではありません。暑かった夏やフレッシュなワインを造りたい場合には向いています。

遅めの収穫は糖度が上がるのを期待して行います。寒かった年や、できるだけ残糖分が欲しい場合に行います。

収穫の方法は手摘みと機械摘みがあり、造りたいワインのタイプや金銭問題、地勢(土地条件)で決まります。

手摘みはブドウを房ごとに選別でき、房を痛めません。特にシャンパーニュのように黒ブドウを色つきさせたくない場合や、急勾配でも可能です。ただし、時間や人件費が非常に掛かります。

機械摘みは夜間も可能なので時間も早いのですが、初期の設備投資が大きいので、規模によって採算性が変わります。また房の選別が出来にくいので不健全な果実も一緒に摘んでしまいます。

【写真:収穫直前のシャルドネ種(日本)】









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