おじいさまの広い屋敷にただひとり残されたウインカーの側には、今ではいつでもマルトがいます。もう、ひとりきりではありません。
そして、間もなくウインカーは父親になろうとしていました。
子の誕生を心待ちにしながら、ウインカーは、息子同然に自分を愛してくれたマリー伯母さんとアルフレッド伯父さんに、自然と感謝の気持ちを伝えたくてたまらなくなりました。
けれど、格式ばってお礼を言うのも、気恥ずかしいものです。何かよい方法はないものでしょうか。
すると、その年は伯母夫婦の結婚30年目にあたりました。ウインカーとマルトは相談して、記念日に素敵なワインをプレゼントしようと思いました。プレゼントを渡しながらなら、自分の想いがふたりに伝えられるような気がしました。