ワインの保存方法
1.基本の保存方法
ワインを保管する際の大切なポイントは五つです。
①光り
直射日光の当たらない暗い所で保管してください。
また、蛍光灯に長く照らされる環境は避けてください。
1000年以上前からある地下蔵を所有しているシャトーが多くあります。太陽光が届かない地下の倉庫は、地上よりも夏は涼しく、冬は暖かいため温度変化が緩やかです。希少な古いヴィンテージワインが現在も地下蔵に貯蔵されているほどワインの保管に向いているのです。
②温度
高温と凍結は避けてください。15℃程度の定温管理が最も理想適すが、6℃~20℃であればリスクはありません。
約30℃を超える高温でワインを長期間保管すると、香りの劣化や、異臭の発生、着色・褐変するリスクが高まります。また、高温によってビン内圧が高まるため、コルクが浮いたり、ワインが漏れたりすることがあります。
夏の高温には特にお気を付けください。
③湿度
60%~80%の高湿度がワイン保管に向いています。
東京の夏の湿度がおおよそ80%です。じっとりと湿り気がある位の湿度をワインは好みます。
乾燥によってコルクが乾くと抜きづらくなったり、ワインの酸化を促進したりすることがあります。
逆に湿度が非常に高い場合は、コルクやラベルでのカビの発生を招くことがあります。ラベルのカビはワインには影響ありませんが、ラベルの品質が損なわれますのでラベルを保護すると良いでしょう。
④振動
熟成に悪影響を与える振動が少ない場所を選びましょう。
キッチンにある冷蔵庫での長期保管がお薦めできない理由の一つは、扉の開け閉めによってオリが撹拌(かくはん)されてしまう点があげられます。
⑤臭い
ワインの魅力の一つに「香り」があります。複雑なワインの香りを楽しむのに異臭が付いてしまっていては台無しです。臭いがきつい場所での保管や、強い臭いのモノと一緒に保管するのは避けましょう。
2.家庭用ワインセラー
「子供の成人式向けに何年も保存して楽しみにしたい」 「ついついストックが増えてきてしまって困っている…」
お客様からそんなお声を頂きます。大切なワインを美味しく味わうためにきちんと保存しておきたい方には家庭用ワインセラーがお薦めです。保存の五つのポイント「光り、温度、湿度、振動、臭い」をすべてクリアーした環境が設定されています。
高額なイメージのあった「ワインセラー」ですが、今では20,000円前後のプライベートセラーも販売されています。まずはコンパクトサイズからワインセラーのある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
3.セラーが無い場合の保存
ワインセラーをお持ちで無くても、1.でご案内した「基本の保存方法」をクリアーできればご家庭でも保管可能です。ただし、夏場の温度上昇にはくれぐれもご注意ください。
<おすすめの場所>
清潔な冷暗所で保管してください。
例えば、
■床下収納
暗くて涼しく湿気もあり、ワイン保存に向いています。
漬け物も置いてある場合は臭いに気をつけてください。
■押し入れ、クローゼット
<置き方のおすすめ>
■ラッピング:ボトルを保護して保管してください。ラベル汚損、カビや虫の付着を防ぐためにも、新聞紙や包み紙を巻いておくと安心です。
■ボトルの置き方:コルクの乾燥を防ぐことによってワインの酸化を防ぐと称えられています。
また、ボトルの転倒を防ぐ観点からもボトルは「横に寝かせて」保存するのが安心です。
なお、近年は天然コルクから合成コルクやスクリューキャップへの代替えが進んでいます。
また、ワインの化学的研究が進み、ボトルを立てて保存すべきとの新しい見解も出てきています。
4.夏の保管
夏の高温がワインは苦手です。25℃を超える「夏日」というフレーズが聞こえてきたら注意が必要です。お部屋にエアコンの冷房が効いている28℃程度であれば大丈夫です。
なお、ご不在が多くエアコンは停止され、室内が28℃を超えるようであれば、冷蔵庫で保管してください。
<冷蔵庫保管の注意点>
・冷蔵室より設定温度が高い「野菜室」がお薦めです。
・ボトル保管の占有スペースが必要です。
・臭いの強い食材は容器に入れるなどして臭い移りに注意してください。
・温度差によってラッピングがフニャフニャと湿気ることがございます。
<高温のリスク>
高温の環境で保管されたワインは、ビン内で温まってコルクの縁から漏れ出す可能性があります。この状況は暑い日の配送でクール便を利用されないケースでも発生することがあります。
ワインが漏れると、キャップシールの下縁からボトル首がべたつき、ラベルまでも染みてしまうことがあります。
漏れてしまったワインがすぐに劣化してしまうわけではございません。そのままお飲み頂いても体に害は及びませんが、日にちが経つにつれ酸化したニュアンスとなるケースが多いです。
5.飲み残したワイン
抜栓したワインを一度に飲みきれないこともあります。残ったワインがすぐに劣化して飲めなくなってしまうわけではありませんのご安心ください。
なお、古いヴィンテージワインは、味の変化が早いのでなるべく早めにお召し上がりください。3日程度がお薦めです。
また、パワフルな味わいのワインは開けてから二日目、三日目の方が華開き、香りも味わいも豊富になり美味しく感じるケースもあります。日ごとに変わる味わいもお楽しみいただけます。
<飲み残したワインの保存方法>
■容器移し:ワインが空気に触れて酸化することを防ぐため、小瓶に移し替えると良いでしょう。清潔なペットボトルや空瓶をご利用ください。
■コルク栓:抜いたコルクを再びボトル口に差し込んでください。入りづらい場合は、コルクを逆向きに刺すと入りやすくなります。
■ラップ:ボトルの口をラップで巻くのも簡単です。倒れたときのワイン漏れが心配されますので短期間の保存に向いています。
■替え栓:ストッパー、ワインセーバーなどとよばれる替え栓が販売されています。
■ポンプ:ポンプでボトル内の空気を吸い出し真空にします。専用の替え栓とセットで1000円前後から販売されています。スパークリングワインにも使えますので一つあると重宝します。
6.まとめ
ワインは嗜好品のため、保存方法を含め飲み方にも様々な流儀がありますが、ご自分にストレスの無い程度にご用意なさり、まずはワインを美味しく召し上がることに注力されることをお薦めします。取り扱いに気兼ねしてヴィンテージワインを敬遠されては残念なことです。飲み慣れて気持ちにゆとりが出てきたら、グッズを増やしてこだわりのワインライフへと進んでみてください。
<関連リンク>
<しおりの案内>
短期間の保存方法に関する簡単なしおりを商品に同封しておりますので、お届け先様も気軽にお楽しみいただけます。
ワインラック「マイ・セラー」とは?
「マイ・セラー」は発泡スチロールと段ボールの組み合わせから生まれたワインを優しく保管できる簡易ワインセラーです。
ご自宅にワインセラーが無い方に高級ワインをお求めいただく場合などに簡便な容器となっています。
室内に保管する際に大敵な光と、キッチンなどにありがちな異臭をしっかり遮断し、断熱性にすぐれた保管容器は、保湿材により湿気を保ちながらゆっくりと温度変化します。
室温変化に伴う急激な温度変化はないので夏場や暖房で乾燥する冬場など、常温保管が難しい季節でも状態の良いワインがお楽しみいただけます。
- 「マイ・セラー」に収納できるボトルは、ボルドー ・ブルゴーニュのスタンダードタイプとなります。
アルザス地方のワインやドイツのワイン、古いワインで瓶形が異なる時代のものなどは入らないことがございます。
(ボトルサイズの目安は 直径最大:80mmまで ボトル高さ:310mmまで) - ポリマーへの給水は、基本的にはワインを受け取った方が行う作業です。
ただし、ご希望であれば弊社で予め給水して梱包いたします。 - 「マイ・セラー」には冷却機能はありませんので、なるべく涼しい場所で保管して下さい。
(直射日光の当たる場所は避けてください。室温が30℃を超えない程度の短期保存に向きます。)
この容器の大きな特長は、湿度コントロールができることです。
保水ピットの中の、高吸水性ポリマーの吸水・蒸散作用が高湿を保ち、コルクに湿り気を与えることで、空気の急激な流入を防ぎます。
容器側面にはラベルが付いていますので中身のワインが何かひと目で分かるので、ワイン1本毎の保存管理がしやすくなります。
- 電動タイプのワインセラーに比べて格段に安価です。ワインセラーは必要の無い方にお薦めします。
- 振動がないため、ワイン内のオリの攪拌が生じません。
高吸水性ポリマー セット方法
- 保水ピット(ワインのネック部分)にセットされている穴のあいているフタ(*1)をはずします。
- ビニール袋に入っているポリマー(*2)を保水ピットの溝に注ぎます。
- 水10cc~20ccを注ぐと30秒程でポリマーが寒天状になります。
- (*1)をもう一度セットして準備完了です。
保水ピットへの給水
-
ポリマーを常にカンテン状に保つために年に4回程度の10cc~20ccの給水を行ってください。
(特に夏場は注意してください) - 高吸水性ポリマーは蒸発して固くなっても、水を注げば元のゼリー状に戻り何度でもご使用できます。