気候条件

気候条件について

ワイン用のブドウが完熟し無事に収穫できるには、最低でも3つの条件が無事に整う必要があります。
その条件とは「生育期間中の日照条件」と「成長を左右する降雨条件」、そして「病気の蔓延に影響する湿度条件」です。
適度な太陽は幹や果実の生育を促し、適度な雨は果実を膨らませ、ほどよい湿度は害虫や病気からブドウを守ります。
また「風」や「霜」も作柄に大きな影響をもたらします。そして「緯度」は生育のスピードや完熟するリスクに作用します。

ではそれらの条件とは、実際にどんなことなのか見てみましょう。

日照条件

ブドウ果実の1年間の生育期間は約100日間です。
この開花から収穫までの100日間の日照時間が1250~1500時間になると果実は完熟します。(※品種によって異なります。)
光の量は光合成の成否を決め、果実の色素や糖度、酸、タンニンに影響があります。
またブドウの生育にとって好ましいタイミングに日照は欲しいものです。


降雨条件

年間の降水量は500~800ミリが適当です。
雨が多すぎると、不必要に幹や枝が伸びてしまいます。また果汁が希釈され、カビなどが発生しやすくなります。
収穫期の降雨は果皮の色の変化や酸度の減少をもたらし、糖度の上昇を促します。
ヨーロッパは収穫直前の秋に雨が多いので成熟前に収穫を余儀なくされることも少なくありません。
完熟前のブドウは繊細で複雑でタンニン分の多いワインになり、完熟したワインはフルーティーで力強いワインになります。

湿度条件

ブドウの生育条件としての年平均気温は10~16℃が理想とされ、比較的冷涼な気候で育ちます。
一般に冷涼な気候下ではブドウがゆっくり成熟するので果汁の酸度も高くなり、香味成分が豊かで繊細で複雑な味わいの赤いワインになりやすいようです。
温暖な気候下ではフルーツフレイバーが前面に出た、酸が穏やかでボリューム感のある、色素も黒味がかった赤ワインになります。
ブドウの病気はカビが原因のものが主です。
その他、バクテリアや微生物が原因のものあります。しかしながら好ましい効果をもたらすカビもあります。

貴腐菌


白ブドウが完全に完熟した状態で貴腐菌が付くと果実内の水分だけが蒸発し、糖分やエキス分が凝縮したブドウになります。
甘美なこの貴腐菌は湿度の高い朝と乾燥した日照のある午後の自然条件で発生し、果皮の薄めのブドウ品種で繁殖します。
※黒ブドウに付いた場合には色素を失わせ、醸造の段階で好ましくない香味をもたらしてしまいます。
※微量な貴腐菌が長期熟成後に大きな色素変化や香味の変化をもたらすことがあります。

好ましくないカビの例

うどんこ病

カビ病の一種で、1850年頃からフィロキセラにやや先立ってヨーロッパ全土のブドウ園を襲いました。
若い枝や葉、生育中の果実に白い粉のようなものが付着し、表皮の成長が妨げられてしまいます。

ベト病

カビ病の一種です。
1880年頃にヨーロッパに出現しました。
高湿度地域に多く、始めは斑点が現れ、次いでベトベトとしたカビが発生します。

ユーティヴィオズ

1980年代になってフランスで確認されたカビ病。
高級品種ほど弱く、一度罹ってしまうと決定的な治療法がないので樹の植え替えを行う必要が出ます。

灰色カビ病

白ブドウの未熟果に付き、好ましくない香味をもたらします。
品質・量ともに大きな影響をもたらします。

ビアス病

バクテリア系の病気で、昆虫の唾液で蔓延します。
この病気に罹ると5年以内に樹を枯らしてしまいます。


風通しはブドウを乾燥させ、カビの発生を減少させます。また寒冷地では空から降りてくる霜害も減少させます。
不幸にして潮風に見舞われた場合には惨状をもたらします。


写真:風通し・日照・水捌けも申し分ない特級畑のロマネコンティ畑

冬の霜と、春の霜(遅霜)と2通りあります。
冬の霜にはブドウは大概耐えられます。

深刻でない限り、その年の出来・不出来には関係がありません。
農夫は冬に備えて畑に盛り土をして幹や根を守ります。
早春の暖かくなった芽が吹いてからの遅霜は深刻です。
畑を温風で暖めたり、芽が氷点下にならないように水をまいて氷でブロッキングしたりします。

緯度

緯度が高いと日の出から日の入りまでの時間が短いので生育が非常に遅くなり、様々な点でリスクが膨らみます。
皆、外気にさらされる樹から毎年なるべく早く収穫したいのです。
高緯度のドイツでの一部ワインに見受けられる『収穫日の表記』は非常にこの点で意味が深いのですが、中緯度の日本ではあまり知られておりません。