ソムリエより

ボルドー地方全体が難しい出来だった1974年産で評価が付与されているだけでも、シャトー・オー・ブリオンが一段上をゆくブランドの証です。

オーブリオンが持つ本来の特徴は何よりも、なめらかさ、品格の高さ、濃度の濃さにあります。香りはスパイスや葉巻を連想させる古典的な風情です。若いうちは軽く感じられますが、必ず良く熟成します。

メドック地区がかつては沼地だったことに比べ、しっかりとした土壌のグラーブ地区は古くからブドウ栽培に適した土地として栄えてきました。格付け時は例外として1級に認められましたが今でも誰も異論は唱えない実力です。

ソムリエより

難しい天候だった1974年は厳しい評価もしかたありません。鑑定するに値する銘柄としてセレクトされている点を高く評価すべきでしょう。本来の味わいは、厚みと渋みときめ細かさを持ち、香りはコーヒー、バニラ、ミント、皮…　味わいも香りも簡単には言い尽くせないほど複雑です。

1974年のラベルを描いたロバート・マザーウェルは、画家になる前に哲学を長く学んでいました。黄色い地に巨大な黒い形状で訴えかけています。

ソムリエより

北側に第1級シャトー、南側には第2級シャトーを望むバージュの丘と呼ばれる良い立地にあります。「格上げすべきシャトー」にかならず挙げられるシャトーの一つで、2級レベルの実力、とたいへん評価が高いです。

かつての力強さは程良く抑えられ、芳醇さ、なめらかさが増してバランスがよいです。長熟ワインの「深さ」と「落ち着き」をご堪能頂けます。

元ポイヤック村長を務めた父を持つジャン・ミシェル・カーズ氏はビジネススキルに長けた現オーナー。元NBA選手のマイケル・ジョーダン氏もランシュ・バージュのファンでシカゴブルズが優勝した際にはこのワインで祝杯をあげたとか。他にもアイルランド元首相、グラミー賞受賞歌手などの著名人にも人脈を持つオーナーです。ミシュラン２つ星★★を獲得したレストランも運営していて、ホテルも併設されています。泊まりがけでシャトーのワインを堪能したいですね。

ソムリエより

マルヌ地区に本拠を置く中堅規模のシャンパン老舗生産者です。重厚感や熟成感を打ち出したスタイルは最高評価を得ており、しばしばクリュッグと並び賞されるほどです。

柑橘類とフランボワーズやチェリーなどの果実香にハチミツやトーストなどのふくよかさ、バラの華やかな印象も感じ取れます。古い小樽でワインを発酵させるため、奥行きやリッチさが感じられます。重厚な味わいに穏やかな酸味がプラスされ、口当たりはベルベットのよう。

映画『007』のジェームス・ボンドに愛されたシャンパンの一つ。古い歴史を誇り、2029年には創業200周年を迎えます。