2020年産のブドウのできは総じて成熟度が高く健全で優れた果実が収穫されています。

フランス・ボルドー地方では、さまざまな天候被害に見舞われながら、その時期が栽培作業スケジュールから外れていたり、地域が限定されていたために結果的には優良なヴィンテージです。春は遅霜やひょうなどの大雨で局地的な被害は受けました。夏は酷暑で収穫の秋は理想的な好天に恵まれ、例年より早めの収穫となりました。晩熟のカベルネのみ降雨の中で収穫が行われましたが、果皮の厚い粒には影響はありません。分厚く色の濃い、タンニン分の多い赤ワインが造られました。赤白問わず、アルコール分と酸のバランスが優れています。

収穫量は例年の平均を僅かに下回る結果となっていますがブドウの品質にはプラス要素となっています。

ブルゴーニュ産は赤ワインのピノノワール種は糖分、酸味、塩味、風味全体の凝縮感に富んでいます。エネルギッシュで有りながらバランスが良いです。白ワインにはフレッシュさときれいな酸があります。価格の高騰が噂されています。

イタリアでは、ピエモンテは糖度とフェノールの熟成度が高く、トスカーナも美しいヴィンテージになると見られている。

新型コロナウィルス禍の影響は、人的な作業工程が例年通りに行えないなどの影響はありましたが、畑での農作業は必須の営みとして例外的に許可され、栽培管理の作業が滞るような問題は発生していません。3月末のロックダウンなどに対しては予めの準備が功を奏し、円滑かつ順調に作業は進められました。生産者の熱意と賢明さに支えられています。